河野太郎議員の原子力政策2004

2004.11.30(火) 世界をまわる輪
 核軍縮のための議員ネットワーク総会。
 来年5月のNPT再検討会議に向けての活動を活発化していくことに。特に我が国の
核戦略(核の傘)をきちんと検証し、議論していくことになるだろう。
 広島、長崎の経験を持つ我が国が、議論もなく米国の核の傘一辺倒で本当によいのだ
ろうか。アメリカ小型核兵器の開発計画などに対して、何もものを言わないのはおか
しなことだ。

2004.10.27(水) 気持ちよい四面楚歌
 八時から自民党の石油エネルギー調査会他合同会議。
 直接処分するよりも再処理した方が最終処分する量は少ないという原子力委員会の資
料をまるで鬼の首でも取ったように振りかざす推進派使用済み核燃料からプルトニウ
を取り出したものを高レベル放射性廃棄物と呼ぶことにしているのだから、高レベル
放射性廃棄物のほうが使用済み核燃料よりも量が少ないのはあたりまえだ。取り出した
プルトニウムを燃やしたものに関しては、中間貯蔵ということにしてあるのだから、そ
りゃ、そのほうが処分するものの量は少ないに決まっている。(だってそう定義してい
るのだから)自民党内では推進派がヒステリックに叫ぶだけで、まともな議論ができな
くなっている。
 友人の韓国国会の国防委員会メンバー(ハンナラ党側の幹部)が来訪。韓国もエネル
ギー政策の中で自前の核燃料をという声があり、再処理を韓国もできないかという検討
をしたかったが、先般の事件でそれもできなくなった、と。日本だけ再処理をするから
エネルギー危機でも大丈夫という理屈は通らない。アジア、いや地球全体でどうエネル
ギー危機に立ち向かうかということを考えなければ、解決にはならない。
 一時からエネルギーレビュー誌主宰のエネルギー懇談会。もともと原子力政策に関し
推進派マスコミと意見交換しようとして始めた会で、普通はマスコミ関係者を呼ん
で講演を聴く(又はつるし上げる?)。これまでに招かれた政治家は山東昭子科学技術
庁長官(いつの時代だ!)、江田五月科技庁長官(!!)、共産党の某代議士(共産党
って何考えてるのだろうということで)ぐらいだそうで、非常に光栄な(!?)ことの
ようだ。
 なにしろ各電力会社、電事連、日本原子力発電株式会社、核燃料サイクル開発機構、
三菱重工、日立などがメンバーで、参加者は、河野太郎とは、頭には角をはやし、尻尾
があると思っている人達ばかりだ。しかし、二時間の会の後、河野太郎って人類なんだ
という認識を持ってもらったようだ。しかも、河野太郎の話は妙に説得力があるという
コメントも出た。(「妙に」とは、いったいどういうことかよくわからないが)
 まじめにエネルギー政策の広報や政策議論をやるつもりならば、電力会社電力会社
の影響下にない第三者的基金に拠出して、広報をやらせるべきで、マスコミに圧力をか
けるがごとくに直接にスポンサーになったり、広告を出したりするべきではないと申し
上げる。
 再処理工場ウラン試験をすぐやる理由は何なのかという僕の質問に、使用済み核燃
料の貯蔵プールの問題原子力技術の継承の問題が挙がった。しかし、エネルギーに関
する問題提起はなかった。四面楚歌という状況ではあったが、自民党内の議論よりもよ
っぽど建設的な話ができたし、時間が足りないぐらいだった。原子力の問題推進派
このような会ができたのは初めてだ。議員会館に戻って、再処理工場についてもう一件
取材を受けた後、北朝鮮に対する経済制裁のシミュレーションチームの会合。

2004.8.4(水) 原子力村のいい加減
 ある週刊誌の記者が愚痴をぶちまけていった。
 再処理問題を追いかけていて、結構、取材でいろんなネタをつかんでいたようだが、
編集長に握りつぶされてしまったという。その週刊誌は別に電力会社は怖くないのだ
が、その出版社全体を考えるとビジネス的な影響が大きいと記事はボツ。こんな週刊誌
が社会保険庁や三菱自動車に関しては、鬼の首でも取ったような報道をしているのだか
ら、ため息がでる。
 日経ビジネスに「原子力村の住人」からと称する再処理擁護論が載っている。かなり
滅茶苦茶な主張だ。「撤去に費用がかかるのは当然だし、後戻りはいつでもできる」
設をウラン試験で汚染してしまえば、撤去に莫大な費用がかかる。
 再処理をやるのかどうかが議論になっているときにウラン試験で施設を汚染してしま
うような馬鹿なことをやめろと言うのが私の主張だ。
 きちんと結論が出るまでウラン試験を延期すれば費用はかからずにすむのだ。後戻り
するときに無駄な費用がかからないようにしておくべきではないのか。
 「施設は民間の費用で作ったものだ。国費は使っていない。私権の侵害に当たる。」
電力会社が負担したコストをどうやって消費者に転嫁するかという議論がずっと行われ
ているではないか。税金だろうが電力料金だろうが、最終的に負担するのは消費者なの
だ。民間の費用で作ったのだという発言は傲慢としかいいようがない。無駄な金を消費
者に負担させることは、むしろ、消費者の権利の侵害だ!
 「この再処理施設には20年の歳月と2兆円の費用をかけている」
 これはサンクコストの考え方を理解していない意見だ。これまでの費用は既に支払わ
れてしまったものだから、今後の費用を考えるときには、これからの費用で損得を計算
しなければならない。二兆円をどぶに捨てて我慢するのか、さらにもっとどぶに捨てる
のかという選択なのだ。
 「確かに使い捨て方式は便利で安い。だが、この方法が環境に与える弊害を考えなけ
ればならない」
 確かに使い捨て方式は便利で安いそうだ!(残念ながら、全体的にかなりでたらめな
意見を言っている人の発言だから、その人の言ったことを他に引用しようとは思わな
い)処理しなければならない放射能は同じだ。ワンススルーならば使用済み燃料として
処理をすることになるし、再処理をすれば使用済み燃料高レベル放射性廃棄物プル
トニウムに分かれるというだけだ。プルトニウムを燃やせば、さらにMOXの使用済み
燃料が出て、それを再処理するというサイクルが繰り返されていく。再処理することに
よって、処理しなければならないものの重さは減っても体積が増えるならば、その方が
処理しにくいのではないか。
「こうした問題(開発途上国のエネルギー消費や地球人口が増えること)を核燃サイク
ルは解決してくれる。原子炉で自然に生成されるプルトニウムを、燃料として再利用す
るからだ。しかも、高速増殖炉が完成すれば消費量以上のプルトニウムが生産される」
 プルサーマルではウラン燃料のわずか10%が再利用されるだけであり、「こうした
問題」を解決しない。高速増殖炉で実現することをプルサーマルでも実現できるかのよ
うに説明するデタラメは電事連がよく使う手だ。
 高速増殖炉ならば、問題解決になるのだろうか。全ての発展途上国に、独裁国家であ
ろうが、非民主的な国家であろうが、プルトニウムを取り扱わせようというのだろう
か。核不拡散はどうなってしまうのか。
 「19兆円には、今後40年にわたる再処理施設の運転費用のほかに、核のゴミを処
分する費用など、原発に関わるコストが全て含まれる」
 これはだ。19兆円の計算の中には再処理したプルトニウムを使ったMOX燃料
使用済み燃料再処理する費用が入っていないのだ。だから、全てのコストを含むので
はない。そして、7000億円と試算された再処理施設の建設費用が実際には二兆円
かったのだから、19兆円で費用が済むという保証はない。
 「原子力村の住人」の知識、認識とはこの程度なのだろうか。それともわかっていて
をついているのだろうか。原子力政策に関する重要な決定は「原子力村の住人」では
ない人間がしっかりと下す必要があることがよくわかる。原子力委員会が7月29日の
会議で使った資料にもミスがある。ウラン燃料を燃やした使用済み核燃料を再処理して
作ったMOX燃料を燃やしてできた使用済みMOX燃料を再処理する施設は、ウラン燃
料を燃やした使用済み核燃料を再処理する施設とは別なもののはずだ。しかし、原子力
委員会の資料を見るとその二つの施設は同じもののように記載されている。難しい話だ
からこそ厳密に記載するべきではないのか。結局、使用済み核燃料貯蔵プールが一杯
になって原発が止まると責任を取らされる人達が必死に再処理と叫んでいるようだ。そ
の人たちにとって、他のことはどうでもよいのだ。 

2004.7.20(火) 摂氏40度−気候変動
今日の付録
福島県知事の記者会見のQ&A(7月13日)
記者
 原子力発電所使用済み核燃料再処理コストの試み計算隠しも次々と明らかにな
りました。県がこれまで国に対して、徹底的な情報公開を提言してきたんですけれど
も、それに反する実態が問題となる中で、今後県として、国に対する働きかけをどのよ
うに行っていくのかお伺いします。 
知事
 私どもはいろいろ指摘をしてまいりまして、情報公開や透明性、情報公開というの
は、悪い情報もいい情報も出していくことが大事であると言っておりました。
 しかし、10年前ですからそういう時代でなかったのかもしれませんが、その間に自
由化の問題等も出ておりまして、現実に今になって大きな問題になっております。核燃
料サイクル何十兆円という負担を国民に回されるかもしれないという問題が出てきま
すと、そういう政策が、まさに情報隠しの中で進んできたのかということは、これこそ
国民としては怒らざるを得ないことではないかと。
 だからこそ、今ここにきて政策評価をしっかりすべきです。これは私どもなりの知見
と言いますか、研究をして「中間とりまとめ」をいたしまして、その中には、そういう
ことをいろいろ私どもなりの判断の中で書いておきましたが、現実にそういうふうなこ
とが起きたということになりますと、やっぱりもう一度、国民的な議論を起こして判断
していく問題であろうと思います。
 一つ道筋をつけたら、一切政策評価等をしないでそのまま突き進むという経路依存性
という言葉を最近知りました。こういう大きな問題については、特に今、政策評価をす
べき時であるということを私どもが言っており、改めて、私どもの主張が間違いでない
なぁという感じがいたしました。
 ただ、国、原子力委員会、経済産業省、事業者等はですね、そういうことを理解、認
識しているのか。「裸の王様」という言葉を使って言っておりますが、分かってはいる
んですが誰も止められないという、今どうもこういう不幸な状況にあるということです
ね。
 そこで今起きている議論は、居直ってですね、「コストの問題なんか大した問題じゃ
ない」という議論が、あちこちから出てきております。コストの問題というのは、大き
な問題であるんですが、例えば(以前に経済産業省が試算公表した原子力発電後処理費
用の負担は、)一家庭で1,300円とされていますが、その他に産業界でもコストが
かかりますので、(それも結局家庭が負担することを考えれば)大体3倍ぐらいにみて
いいですから、年間でだいたい一家庭で4,000円位にみられるわけですね。4,0
00円位一家庭の負担が高くなるわけですが、どうも見てると、コストの問題ではない
というふうに、わい小化しようという議論が、戦略的なのか戦術的なのか、そういう声
になって「これは国策なんだ。エネルギーの安全保障のためだ」というようなことを言
ってきております。
 福島県の「中間とりまとめ」をよく読んでください、と言いたいんですね。それこ
そ、「国家戦略」なんていう、この路線を維持するためにそういうことを言っておりま
すが、そんな問題じゃないんじゃないですかと、反対に冷静にみんなで議論してくださ
いと、これはもう「中間とりまとめ」を読んでくださいと言いたいですね。
 がんばれ県知事!

2004.7.15(木) Brainstorm2004 in Aspen(DAY2)
 太陽光パネルの価格を劇的に下げるプロトタイプの実験に関するベンチャーからの提
案もあった。大きなパネルを使うのはシリコンの使用量が大きくなるので、鏡を使って
太陽光を集め、小さなシリコンで済むようにしたものだ。中華料理用のテーブルぐらい
の大きさに二千枚の小さな鏡を並べ2ドル程度のCPUでコントロールしながら二つの
モーターでこの鏡を制御するというものだ。一般家庭では三年で投資の回収が終わるそ
うだ。シーメンスの社長が早速、興味を示していた。アメリカをなめてはいけない。

2004.7.14(水) Brainstorm2004 in Aspen
 第三セッションでは、脱石油時代に備えて省エネ技術革新が必要になり、「再生可
能エネルギー100%」に移行する必要があると言う意見がほとんどだった。石油に変
わって原子力というのはほとんど誰も相手にしない気違いざただった。
 日本の省エネは進んでいるという意見に対しても、それはごく一部の産業のことで、
例えば人家やビルなどの建物に関しては日本は非常に遅れているという指摘があった。
燃料電池車にしても、まず車体を軽く安全なものにするための鉄に変わる素材の導入か
らの話になる。軍がまず調達をすることにより価格を下げ、それを民需に転用するとい
うシナリオがある。
 日本に対しては、省エネが進んでいる、自然エネルギーでは足りないという全く根拠
のない二つの思いこみがあり、進歩を妨げているとの厳しい指摘があった。テッド・タ
ーナーも地球温暖化について思いを込めて力説していたし、実はアメリカはかなりエネ
ルギー問題に関してしっかり取り組みつつあるとの印象を受けた。京都議定書などより
国家の安全保障だという意識が優先しているし、地球環境がこのままではダメになる
という意見がいろいろな分野の人から出されていた。アメリカを侮ってはいけない。

2004.6.30(水) 久しぶりの東京
 14:15 核燃料サイクル再処理に関する取材。
 16:00 核燃料サイクルに関する取材。

2004.5.31(月) ボンに来ています
 ドイツのボンで開かれる再生可能エネルギー国際会議2004に参加するためにボン
に来ています。明日はNGOの会議に出席し、あさっては国会議員会議の基調演説と宣
言の起草委員会に参加する予定です。
 日本政府のプレゼンスはまったく感じられず、しかも、日本政府の代表団が再生可能
エネルギーの目標を設定することに頑強に抵抗している模様です。目標は設定しない
が、クォータ制の導入については必ず触れるようにとこれも無意味な主張をしまくって
います。要するに経産省がやっているRPSを世界的にも認知させたいという意図があ
りありです。
 さらに、今後は再生可能エネルギーを最重要課題とすることにも日本代表団は反対し
ています。これはもちろん原発推進したいためです。こういう馬鹿な役人が跋扈して
いるのも政治の力の無さでしょう。大臣、副大臣は出席せず、政務官が一人来るようで
す。再生可能エネルギーに力を入れてきた加藤環境副大臣は、経産省の代表が政務官だ
から環境省から副大臣が出席するのはおかしいというふざけた理由で、出席が出来なく
なりました。この会議は、日本政府の馬鹿丸出しということになりそうです。

2004.5.30(日) 原子力参事官
 フランス大使館の原子力参事官から昼食のお誘い。
 原子力担当の参事官ではなく、原子力参事官という職名だ。政治担当の一等書記官と
原子力参事官のスタッフと四人でフレンチに舌鼓をうちながら、再処理の議論。
 日本政策転換フランスにも多大な影響を与えるようだ。 

2004.5.20(木) 再処理の議論
 今日は八時から党の地球環境特別委員会。部会長は副委員長でもあるが、今日は同じ
時間に石油・エネルギー調査会があるので欠席。こちらはバックエンドについて。
 ここでは我が県連会長の甘利明代議士再処理推進派で、僕とは反対の立場になる。
 九時半に環境省から骨太2004の素案についてのレク。
 朝のエネルギー調査会再処理について議論がかみ合わない。再処理を進めろという
議員は、中国のエネルギー需要が、とか資源のない日本の将来は原子力だとか言うばか
りで、具体的な話はない。一方、再処理凍結派は具体的な話をするからかみ合わない。
例えば、中国のエネルギー需要が増えるなかでウラン資源のことを考えると有効活用の
ために再処理は必要だという議員がいる。が、ウラン燃料を燃やしたものを再処理する
と一パーセントのプルトニウムと約九パーセントのウランだけがMOX燃料に使われる
ことになる。元のウラン燃料の五パーセントは燃えかすになるし、八十五パーセントの
回収ウランはそのままでは再利用できない。この回収ウラン転換し、濃縮する必要が
あるが日本にはウラン転換工場はないし、その計画もない。ということは、MOX燃料
を作るためには一パーセントのプルトニウムと九パーセントのウランに加えて、新たに
九十パーセントのウランを加えなければならない。ウラン燃料を二つ作るのにウラン
200必要になるとするとウラン燃料とそれを再処理したMOX燃料を作るのにはウラ
が190必要になる。つまり再処理プラスプルサーマルではウラン資源の有効活用
はならない。FBRができてこそ、ウランの有効利用は出来る。
 電事連の説明は、あるページではプルサーマルを16から18基といいながら数ペー
ジあとではウラン資源を95%活用してなどとプルサーマルでは出来ないことをごっち
ゃにして書いている。凍結派はこういう話をするのだが、推進派原発は大事だという
レベルの話をする。だからため息が出る。
 谷本後藤田といった若手が理路整然と凍結論を述べても、その反論は...。きち
んと話をしてくれるのは吉野代議士ぐらいだ。
 追伸 棚橋泰文代議士事務所のみなさま いつもご苦労様です。大変でしょうけれ
ど、頑張ってください。 

2004.5.17(月) 独占禁止法と再処理
 六ヶ所村再処理工場の操業を強引に開始させようという勉強会ができたらしい。マ
スコミがその会の議事録を持ってきてくれたが、ため息が出る。例えば...KT参議
院議員−再処理ワンススルーとのコスト比較をなにか出さなければもたない。ウラン
の価格が上がるとかの前提を置いて、強引に数字をつくれ。!?!?!?!?!?!?!? オーイ、
ちゃんとした議論はどうなったぁ?まあ19兆円5.9円もこうやってでっち上げた
数字なんだろうが。国策ならそれらしいきちんとした議論をオープンにやりませんか。

2004.4.21(水) 自民党の石油資源・エネルギ−調査会
 自民党の石油資源・エネルギー調査会再処理の話とバックエンドのコストに関する
議論を分けてやることになっていたと思うのだが、ふたを開けると合同会議でぐっちゃ
ぐっちゃになった。ぐちゃぐちゃにしたのはお前だろと言われかねないが、いつも原発
関係の会議は不明朗だ。
 相変わらず再処理に関するエネ庁の答弁は不可解きわまりない。再処理ワンススル
かはコストだけで決めるものではないと甘利小委員長がエネ庁をかばうが、だからと
いってコストの比較も無いのはまったくおかしいし、エネ庁は2010年までにプルサ
ーマルを十六基程度稼働させる予定だと電事連が言っているからプルトニウムは余らな
いと平然と電事連に罪をなすりつける。
 原発を新規に二十基稼働させるから温暖化対策は大丈夫だとを言い続けたエネ庁
舌の根も、いや舌の上もべっとり濡れているうちにまたをつく、しかも電事連という
他人のせいにして。不埒な奴らめ。
 ヨーロッパのある巨大NGOの幹部が来訪。アフガニスタンのバーミヤン近郊での
力発電プロジェクトを日本政府と組んで進めようとしているのだが、日本側のコンサル
タントの仕事があまりにものろく(他の国は数週間で結論を出すのに日本のこのやり方
では一年半経ってまだ予備調査もできない!)、あきれかえっている。現地の人々もも
う待てないので、プロジェクトをキャンセルしなければならないかもしれない、と。

2004.3.27(土) 六ヶ所村の再処理工場の試験の延期
 木曜日。八時に自民党の経産部会とエネルギー関係合同部会
 六ヶ所村再処理工場の試験の延期を提言する。村井核燃料サイクル特別委員長から
真剣に議論しようという対応。再処理タリバン津島(青森県選出)、甘利(エネルギ
ー政策の小委員長)、棚橋(元通産官僚)各代議士からは、激しい反応あり。その一方
で、谷本代議士などから現状のまま、六ヶ所村再処理工場をテストしていくことに疑
問が出される。自民党内では原子力は推進というかけ声以上にあまり考えられていない
のではないかという印象を受けた。たとえば、元農水官僚の大村代議士なども、再処理
は日本の原子力政策に欠かせないものだという認識だった。いや、ワンススルーという
代替案があり、費用的にも、プルトニウム的にもそちらの方が優れているではないかと
説明すると、納得してくれる。部会後にも、やはりああいった問題に触れないで政策を
推進していくのはおかしいと思うという議員が何人か声をかけてくれる。なんだかよく
わからないけれど、原発は推進という自民党議員が多いのではないか。再処理を止める
イコール反原発イコール左翼程度の認識しか持っていない議員がいるようだ。十兆円を
超える国民負担を議論もないままにやって良いわけはない。

2004.2.19(木) 自民党参議院で執行部の許可無くテレビ出演した議員を処分?!
 某新聞の記者、なんで六ヶ所村再処理工場が記事にならないかっていえば、うちの
編集局長が経済部出身だからです。別な新聞の記者、なんか東電の広告すごいですよ。
で、国民に情報が伝わらずに十兆円の国民負担増でよいのか。

2004.2.18(水) 役所のばっくれ
 六ヶ所村再処理工場の問題で、妙案が浮かんだ。各省庁は民間企業でいうところの
環境報告書を出すことになっているのだが、役所の中にはばっくれてしまっているのも
ある。例えば経産省!そこでこの国会では経産省にちゃんと報告書を出させるための法
案が提出される。この法案は、それ以外にも環境報告書が記載すべき事項を、民間で策
定してもらうようなことも想定している。環境報告書を出して、環境にきちんと対応す
る企業は、株価も上がるなどのメリットがいろいろとあるはずだ。
 今日の調査会では、エコファンドなどについての意見交換をしたが、欧米に比べ、日
本の資本市場はまだグリーンではないようだ。環境部会のメンバーで自らエコ投資をし
てみようか。と、いうことを考えているうちに、六ヶ所村再処理工場の稼働が、電力
会社の経営にプラスになるのかどうか、機関投資家をはじめとする株主にきちんと議論
していただくべきではないかと思った。自分で株主になって総会で発言するのも一つの
方法だが、もっと大株主に経営の観点から経営陣に意見を述べてもらう、経営にきちん
と目を光らせてもらうことも必要だ。さて、どこからアプローチするか。

2004.2.17(火) 十兆円の国民負担と電力会社の経営の問題なのです。
         取り上げませんか。
 六ヶ所村再処理工場に関して、いろいろなマスコミのいろいろな人が気にはして下
さっているようだ。いやー、ごまめに書かれているから気にはしているんだけど...
と言いながら、某マスコミのある記者は、ウチは東電がらみは一番上から抑えられてし
まうんで、取材してもだめなんですよね、と。東電にどんな借りがあるのか?ある雑誌
再処理工場に関して取材していったかと思うと、次の号にはグラビアに東電の宣伝記
事が掲載されていた!?十兆円の国民負担電力会社の経営の問題なんです。取り上げ
ませんか。

2004.2.16(月) 特定船舶入港禁止法案
 核燃料サイクル研究会電力会社の企業統治から見ても、六ヶ所村再処理工場の稼
働を今、開始することは合理的ではない。電力の株主になって株主総会に乗り込むか。
マスコミへのアプローチを強化する。

2004.1.23(金) 環境庁の課長さんのエコハウス?!
 核燃料サイクル、とくに六ヶ所村再処理工場十兆円の問題について、せっせと
スコミにセールスをするも大メディアは反応が悪い。基本的にテレビ大新聞原子力
に批判的な報道をすると、色眼鏡で見られるので中立的に論評を避けて、発表資料に基
づいてそのまんまという姿勢らしい。まさに原子力村の思うつぼ。たとえば久米、田
原、筑紫の三人のうちの誰かがこの問題を取り上げるだろうか?年金問題並みのインパ
クトは十分にある。
 環境省のある課長さんが趣味(?)で、エコハウスを建てたそうだ。太陽光発電
力発電からノンフロン冷蔵庫、二重窓、風呂排水の中水活用、透水性舗装、外壁内換気
など三十を超える対策をした家は、951万円余計にかかったそうで、太陽光発電の補
助金や光熱水費の削減分などで元を取ろうとすると35年かかるそうだ。だから環境税
を導入して環境対策にしっかりと補助を出せというのが結論ではあるが、そのために自
らここまでやってしまうというのはすごい。もっと安くやる方法はあるそうで、家を建
てたりリフォームしたりする方にはコンサルティングもしていただけるらしい。ちなみ
に、CO2削減量は36%、断熱による暖房費削減が費用的には一番効果があるそう
だ。 

2004.1.13(火) 核燃料サイクル研究会 六ヶ所村騒動3
 電力会社、特に東京電力は、自らの都合で六ヶ所村再処理工場を稼働させたがって
いる。原子力発電所は、運転すればかならず燃やしたウラン使用済み核燃料となって
出てくる。日本の原発が抱えている直近の課題は、この使用済み核燃料を貯蔵するスペ
ースが無くなりつつあるということだ。とくに東電福島第二では、この使用済み核燃
料の貯蔵スペースが後二年分程度しかない。日本の原発トータルで見ても、今のままな
らばあと七、八年で貯蔵スペースがなくなる。
 そこで、2010年をめどに、青森むつに、中間集中貯蔵施設を造ることになって
いる。ところが、これはあくまでも中間貯蔵であって最終的な処分では無いということ
になっている。そのために、六ヶ所村再処理工場を稼働させることにより、中間貯蔵
しているものも再処理してよそへ持っていきますということで、むつの施設を認めても
らっている。だから電力会社は、六ヶ所村再処理工場を稼働させないと原発の稼働が
止まってしまうので、あせっている。
 しかし、再処理工場などにかかるコストを誰が負担するのかということが明確に合意
されない限り、この費用は電力会社の経営の命取りになりかねない。原子力発電所はい
いことだけではない。使用済み核燃料という核のゴミがどんどん出てきているのだ。こ
れを処理する方法は二つある。
 ひとつは、ウランを燃やした時に出てくる使用済み核燃料、つまり今、原発からでて
いる核のゴミをそのまま処分する方法。もう一つは、再処理をしてプルトニウムを取り
出す方法。再処理をしてプルトニウムを取り出すと、使用済み核燃料高レベル放射性
廃棄物と呼ばれるタチの悪いゴミに代わる。再処理をするとTRU(トランスウラニウ
ム)と呼ばれるコバルトストロンチウムよりも毒性が強くしかも半減期が何万年、何
十万年と非常に長い物質が出てくるのだ。
 再処理推進しようとする経産省などは、再処理をすると処分しなければならない量
が減るから(1トンの使用済み核燃料再処理すると0.7トンの高レベル放射性廃棄
になる)、処分しやすいと主張する。これは大きな間違いだと思う。なぜならば処分
すべき核のゴミは三割減るかもしれないが、TRUを作り出してしまえばTRUそのも
のの量の何倍もの体積のTRUに汚染された廃棄物が生まれる。処分の難しさは重さで
はなく体積で決まる。だから重さは三割減っても、処分すべき体積は何倍にもふくれあ
がる。経産省の見積もりではTRUの処理に8100億円かかる。この見積もりは甘い
と僕は思う。再処理工場本体の見積もりが三倍以上にふくれあがったように、このTR
処理コストも何倍にもなると僕は考えている。そして、この高レベル放射性廃棄物
最終処理場所は決まっていない。(六ヶ所村でたしか40年間の中間貯蔵をすること
になっているが、その後どうするかは未定である。経産省はその後、数百年間にわた
り、地層処分、つまり地中深く穴を掘って埋めると主張している。問題はどこに、とい
うことだ。)
 いずれにせよ、今のずさんな見積もりと国民に対する説明責任もあいまいなまま、
処理工場を稼働させ、再処理をして燃やし方も決まらない大量のプルトニウムを取り出
して、高レベル放射性廃棄物最終処分するか、再処理を当面凍結し、使用済み核燃料
中間貯蔵期間を伸ばす方策を考え、その間に再処理が必要なのかどうかを検討し、コ
ストを精査して、国民的な議論をきっちりとやるかの分かれ道に立っている。 

2004.1.13(火) 核燃料サイクル研究会 六ヶ所村騒動2
 六ヶ所村続き。
 原子力発電が、夏場の一時期の需要期を除き必要不可欠でもないということは、去年
の原発の全面運転停止でも立証された。本来ならば、水素ベースのエネルギー路線に転
換するための研究開発や自然エネルギーで本当にどこまでやれるのかという政策転換
必要なのだが、それを担当する経済産業省は、自然エネルギーを殺している。自然エネ
ルギーが着実に増加すると、原子力はいらないではないかという議論になっていくこと
をおそれている。
 電力会社に対して自然エネルギーによる発電を求めたRPSという制度でも異様に低
い数値設定をして、しかもその設定が前半は極端に低く、2010年以降は現在、設定
がないという新規事業者の参入を阻止するための設定になっている。このため、風力発
に関しては、日本には未来がないような状況だ(風力発電事業者は2010年以降の
需要を示せないために、そこから先の資金手当をすることができない)。
 太陽光発電に関しても、ドイツが80円相当で買い入れるという法改正をして、先頭
を走る日本に追いつこうとしているのに対し、日本はまったく逆を行っている。日本の
太陽光発電のためのパネルメーカーも日本市場を相手にせず、ヨーロッパ、特にドイツ
を狙っている。競争力のない産業を整理し、新たな産業を興すということが国策になり
つつあるこの時代に経済産業という名前を持つ役所が、新規産業の有望な種を省益のた
めに平気で殺している。
 政治は何をやっているのかと言えば、自民党の電力族経済産業省べったりの政治屋
どもは民主党の電力総連の息がかかった議員どもと一緒に、電力の自由化が叫ばれてい
るこの時代に、原子力発電国策と位置づけようと必死になっている。なぜ原子力
と位置づけたいかといえば、国策ならば国が金を出しても当然という議論ができるか
らだ。つまり電力会社原子力発電を維持しきれなくなっている。原発ウランを燃や
した時に出てくる使用済み核燃料の処理ができなくなっているのだ。
 電力会社の経営にとって、原発バックエンドをどうするかは極めて大きな経営判断
になる。電力会社は自分の会社が負担するよりは、血税で尻ぬぐいをしてもらいたい。
経済産業省は自分たちの政策ミスを表には出したくないし、天下りやらなんやらのおい
しい蜜である原子力を維持したい(まさに厚生省の年金と同じだ)。政治家は原発によ
って地元に落ちる補助金を維持したい。
 労組原発による雇用を維持したい。ババを引くのは一般納税者、高い電力を買わさ
れる消費者、そして地球環境ということになる。自民党の中でエネルギー問題の責任者
を務めたこともある亀井善之農水大臣も、自らの著作の中で原子力はもはや国策ではな
い、見直しが不可欠だと訴えている。にもかかわらず、与野党の中に暴走する議員がい
る。グリーンピアの悲劇を目の当たりにして憤慨している納税者よ、今、原子力政策
見直しを求めて立ち上がれ。年金問題で特集を組んでいるマスコミよ、原発の問題の特
集を組め。今、動けば十兆円以上の国民負担をストップできる。 

2004.1.6(火) 核燃料サイクル研究会 六ヶ所村騒動1
 核燃料サイクル研究会を立ち上げた。
 六ヶ所村使用済み核燃料再処理工場が造られ、この工場の稼働が迫っている。問
題は、この工場の稼働が本当に必要なのかという議論が極めていい加減に行われてきた
ことだ。単純に言うと、この工場の稼働を稼働させることなく凍結すれば国民負担は4
兆円で済むところを、ひとたび工場を稼働させると(つまり核で工場が汚染されること
になると)国民負担は十数兆円にふくれあがる。ここでそういう計画だからと議論無し
に稼働を強行すれば、年金とグリーンピアのようなことになる(つまり負担が顕在化し
た時に、なんであのときにそんな馬鹿なことを止めなかったのか、と)。
 再処理工場とは、ウラン原発で燃やした時に出てくる使用済み核燃料からプルトニ
ウムを取り出す工場だ。本来、プルトニウムを取り出して高速増殖炉で燃やす予定だっ
たのが、95年のもんじゅの事故で高速増殖炉の実現が極めて難しくなり、プルトニウ
を燃やすことができなくなった。通産省はあわてて高速増殖炉に代わり、プルサーマ
という敗戦処理技術(あまりメリットがない)を位置づけたが、これも計画通り進ま
ない。ところが再処理だけはヨーロッパに委託したり、東海村で始めたりと先行してし
まった。その結果、六ヶ所村の新工場を稼働させる前でもプルトニウムがどんどん貯ま
り、いまや国内に38トンもある。IAEAの査察費用のかなりの部分が日本のプルト
ニウムのために使われている。日本国内にあるはずのプルトニウム量と実際の量の誤差
MUFという)が200kgもある。プルトニウムは、ウランの何万倍もの発ガン性
を持つ極めて危険な物質であり、わずか5kgで核爆弾ができてしまうため警備が大変
で、さらにコストも非常に高いというデメリットがある。六ヶ所村再処理工場を稼働
させると、さらにこのプルトニウムが貯まっていく。
 六ヶ所村の工場本体は当初計画で8000億円のはずだったのが、建ててみたら三兆
もかかった。しかもステンレスの溶接という確立された技術を使ったところにひび割
れが発生するという問題が起きている。六ヶ所村の工場ではジルコニウムステンレス
の配管を異材継ぎ手という新しい技術でつないでいるところが何万カ所だか何十万カ所
だかある。動燃東海村再処理工場も当初の稼働率は無茶苦茶低かったことを考える
と、六ヶ所村の工場の稼働がスムーズにいくとは思えない。
 再処理した時の総費用は11兆円と言われているが、これも発表の半年前には16兆
と言われていた。11兆円という数字は、通産省がでっちあげた原発発電コスト
ある5.9円よりも高すぎず(高すぎれば再処理を止めろと言われる)、ある程度高く
(ある程度費用がかかることにしないと電力会社に国が補助を出せない)という観点か
ら創られた数字なのだ。だから、国民負担がいくらになるかやってみなければわからな
いというのが現実なのだ。
 2005年といわれる再処理工場の稼働開始を凍結し、再処理が本当に必要なのか、
コストがいくらかかるのか、ということを検証し、きちんと合理的に議論してから結論
を出すべきだというのが我々の主張だ。 


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