6原第148号
                             平成6年11月19日
青森県知事
 北村 正や 殿
                                科学技術庁長官
                                 田中 眞紀子

高レベル放射性廃棄物の最終的な処分について(回答)

 核燃料サイクルの確立は我が国の原子力政策にとって最も重要な課題であり、青森県
六ケ所村において計画が進められている核燃料サイクル事業に対する貴職をはじめとす
る青森県関係者の皆様の御理解と御協力に対し、深く敬意を表するとともに心から感謝
いたします。
 平成6年11月16日付青むつ第501号をもって貴職より照会のあった事項につい
ては、下記のとおり回答します。


1.廃棄物管理施設について

 青森県六ケ所村で建設が進められている返還高レベル放射性廃棄物ガラス固化体に関
する廃棄物管理施設は、ガラス固化体の一時貯蔵を行う施設であり、処分場となるもの
ではありません。
 当該施設において日木原燃(株)により貯蔵管理されるガラス固化体については、管
理期間は30年間から50年間とされ、管理期間終了時点では、電気事業者が最終的な
処分に向けて搬出することとしています。
 科学技術庁としては、ガラス固化体が管理施設において適切に管理され、管理期間の
終了時点でガラス固化体が当該施設より搬出されるよう指導していく所存です。

2.高レベル放射性廃棄物の処分の具体化に向けた努力について

 「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」に、高レベル放射性廃棄物の処分
に関する役割分担、手順及びスケジュールが示されており、処分方策を進めていくに当
たって、国は処分が適切かつ確実に行われることに対して責任を負うとともに、処分の
円滑な推進のために必要な施策を策定することとしています。
 科学技術庁としては、長期計画に示された役割分担、手順及びスケジュールに沿って
処分が実現されるよう、関係機関と協力して所要の施策を推進していく所存です。

3.高レベル放射性廃棄物の処分について

 青森県において高レベル放射性廃棄物の最終処分が行われないことを明確化する旨の
今般の貴職の照会については、核燃料サイクル事業はもとより、原子力船「むつ」開発
など国の原子力政策の推進に貢献されてきている貴職がその意向を明確にされたもので
あり、これを重く受けとめるべきものと認識しています。
 高レベル放射性廃棄物め処分予定地の選定については、処分事業の実施主体の設立を
待って行うこととされています。実施主体による処分予定地の選定については、地元の
意向を十分尊重して進めることとしてきていますが、地元の意向が確実に取り入れられ
るよう、地元の了承を得て選定を行うこととし、その旨が長期計画に明記されました。
 このように、処分予定地の選定は、地元の了承なしに行われることはなく、また、今
般、貴職は、青森県において処分が行われないことを明確にするよう照会されていま
す。科学技術庁としては、今後、処分事業の実施主体が処分予定地の選定を進める際
に、関係機関の協力を得つつ、貴職の意向が踏まえられるよう努める所存です。このよ
うな状況においては、青森県が高レベル放射性廃棄物の処分地に選定されることはあり
ません。


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